カテゴリー: Cast

Spotifyはプロローグです。

  • 寿栄 食の物語(さくらちゃん)

    夕暮れどき、寿栄コミュニティセンターのまわりには、どこか懐かしい匂いが漂っていた。焼けた炭の匂いや、遠くで誰かが作る夕飯の湯気の匂い。それは、ふと昔の記憶を呼び起こす。

    宮津で過ごしたあの日のことを、私はよく思い出す。家族で囲んだバーベキュー。炭火の上でじゅうじゅうと音を立てる肉に、みんなの笑い声が重なっていた。食べ終わるころには空はすっかり暗くなって、手持ち花火の小さな光が、夜の中でゆらゆらと揺れていた。

    「また行きたいね」

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  • 寿栄 食の物語(花子さん)

    丘の上に風が通るたび、土と草の匂いがふわりと立ちのぼった。
    松江の田舎で育った私は、その匂いと一緒に食卓の記憶を思い出す。

    夕方になると、母は畑から戻ってきた。腕には土のついた大根や青菜、籠にはまだぴちぴちと跳ねる魚。台所では味噌の香りが立ち、ことことと煮付けの音がする。

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  • 寿栄 食の物語(ペッパーくん)

    春の終わり、寿栄コミュニティセンターの裏手の道には、やわらかな土の匂いが漂っていた。
    朝露をふくんだ草の間から、筍が小さな頭をのぞかせている。

    「今年はよう伸びとるなあ」

    母はしゃがみ込み、土をそっと掘った。
    その手は節くれだっていたけれど、驚くほどやさしかった。

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  • 寿栄 食の物語(せっちゃん)

    寿栄コミュニティセンターの裏手に、小さな川が流れている。夏になると、風が少しだけ湿り気を帯びて、どこか遠くから炭の匂いがしてくるような気がする。

    その匂いをかぐと、私はいつも父のことを思い出す。

    父の夏の仕事は、鰻を焼くことだった。七輪に炭を起こし、ぱちぱちと音を立てる火の上で、串に刺した鰻をじっくりと焼く。汗をぬぐう暇もなく、ただひたすらに、火と向き合っていた。

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  • 寿栄 食の物語(れいちゃん)

    団子の湯気が消えない町

    寿栄コミュニティセンターの角を曲がると、昔、甘い香りがふわりと流れてくる場所があった。

    小さな和菓子屋だった。

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